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首都圏留学生の招聘プログラム2025 大阪~京都~奈良~神戸で日本の歴史文化を体感

9月1日(月)から4日(木)の3泊4日の行程で、日本文化体感プログラムを通じた首都圏の留学生との交流事業を実施しました。今回は、メインルートの中から、大阪、京都、奈良、神戸をめぐりました。 協議会では、日本人の精神性、美意識の背景である歴史・文化について、様々なキーワードを使い分かりやすく解説するプレゼンテーション(座学)と、実際に現地に赴き、本物の歴史文化に触れ、体感していただくことで、日本文化、日本人の精神性(こころ)の理解につなぐことを目的に留学生を対象に様々なプログラムを企画・実施しています。 今回実施した首都圏留学生の招聘プログラムは、2020年度から実施し本年で6年目、計8本となります。 このプログラムでは、首都圏の大学に在籍している留学生に対し、関西の豊かな歴史や文化財に直接触れる機会を提供することで、日本への理解を深めていただくと共に、日本の歴史的文化背景を深く知ることにより、自らの専門領域での理解にも役立てていただくことを目的としています。 首都圏からは、中国、バングラデシュ、パキスタン、ベトナム、スリランカ、ブータン、ミャンマー、モンゴル、セントルシアからの留学生9名。関西からは、大阪公立大学の日本人学生2名が参加し、計11名で実施しました。

9月1日、東京から新大阪駅に到着した留学生を日本人学生と出迎えました。 まずは、オリエンテーリングの会場へ。今回の行程、ワークショップの内容と準備などを説明したのち、それぞれ「名前、出身地、ワンコメン」の自己紹介をしました。 昼食ののち、大阪市内の山本能楽堂を訪問しました。抹茶とお菓子をいただきながら、能についての説明を伺いました。次に「謡(うたい)」に挑戦。能舞台へあげていただき、能の歩き方や能衣装を着るなど、「能」を体験しました。 1日目は京都泊。ホテルチェックイン後は自由行動です。参加者は情報交換しながら、錦市場や祇園、伏見稲荷大社などを訪問したようです。

9月2日。まず、丸益西村屋へ。 ここでは、江戸時代に発達した、日本を代表する文様染である友禅染を体験しました。染め方を教えてもらい、自分たちの好きな型紙を選んで、オリジナルのハンカチづくりを楽しみました。 次に、妙心寺の塔頭・退蔵院へ。松山大耕副住職にご案内いただき、国宝の瓢箪図や史跡名勝・枯山水庭園「元信の庭」、そして四季折々の景色が美しい池泉回遊式庭園「余香苑」を見学しました。その後に、座禅の意味などをお聞きしながら座禅体験をしました。 妙心寺の近くの阿じろで、精進料理を楽しんだ後、宇治へ移動します。 宇治では、福寿園宇治工房で、抹茶づくりを体験。自分がつくったお茶とお菓子を楽しみました。 体験後は、平等院へ。鳳凰堂の内部や鳳翔館を見学。宿泊する奈良へと向かいました。

9月3日。まずは参加したい方のみで奈良の早朝散歩。猿沢池から興福寺の五重塔、中金堂、南円堂を散策。昼間とは違った静かな奈良公園で、鹿とのふれあいを楽しみました。 朝食後、バスで出発。春日大社へ。内陣を参拝し、若草山の麓を通って、東大寺大仏殿へ。暑い中での散策でしたが、あちこちで記念撮影をしながら、ガイドの説明に聞き入っていました。 昼食をはさんで、平城宮跡歴史公園へ。朱雀門、いざない館を見学し、奈良時代、中国から多くのものを学ぶために派遣された遣唐使が乗ったであろう船で、往時の様子を想像してもらいました。 じっくり1日かけて奈良を堪能したのち、宿泊先の神戸へと向かいました。

9月4日、最終日は北野界隈の散策とワークショップです。 生田神社、ムスリムモスク、ユダヤ教寺院、ジャイナ教寺院など、開国後、様々な文化を受け入れていった神戸を体感。最後に神戸トリックアート 不思議な領事館、ベンの家、英国館、洋風長屋などユニークな異人館を楽しみました。

最後のワークショップでは、プログラム全体を振り返りました。 滋賀県立大学非常勤講師の佐々木氏のファシリテーターで2班に分かれてスタート。 ワークショップでは、今回の旅行で訪問した場所での体験で、母国の文化と異なる点、母国の文化と似ている点を各自付箋に書き出し、それを歴史街道のマップに貼り付けていきます。 それぞれテーブルでは、自分たちの国の文化について、何が印象に残ったのか、それぞれが活発に話し、スタッフも熱心に聞き入っていました。 最後に班毎で発表していただき、終了となりました。 アンケートでは、「I enjoyed here a lot. Transportation was great as well. 」「日本の観光資源が豊富で、各自の独自性もあって関心しました。素晴らしい国だと再び感じました。」「It is a really good experience which I would not have been to afford by myself as a student. Thank you all very much for organizing.」「Memorizing the places and telling experiences/ feeling make more remember」「It helped me gain more perspectives of Kansai region and Japan in general. I also discovered that Japanese and Vietnamese culture, religion have a lot in common」 など、プログラムを通して、日本の文化、日本人のこころにふれていただけたと感じています。