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読者の投稿 令和元年 第2回 南海・歴史探訪ガイドウォーク 廃寺された金蔵寺の仁王様を訪ねて
令和元年6月8日(土)、天気予報で一時雨の予報があるなか、集合場所の南海高野線金剛駅に向かいました。 気温自体は25度予想で高くはないのですが、雨予報が災いしてか参加者は57名だったそうです。 今年のテーマは、「あなたの知らない歴史秘話」です。 本日のコースは、南海高野線金剛駅が受付場所で、その後、小三昧墓地→三都神社・金蔵寺跡→いや坂→天野街道→フォレストガーデン→感應寺(昼食)→法道寺(第1ゴール)→桜井神社→泉北高速泉ヶ丘駅(第2ゴール)の約14kmです。 いつも通り、早めに金剛駅に着き、受付を済ませて待っていますと、第1ゴールからのバスの時刻もあるので、1班は9時5分に出発しました。駅前を出て南西に市街地の車の通りの少ないわき道を歩き、小三昧墓地に着きます。
この墓地は、近世以降に主に近畿地方に多く展開された「両墓制」の埋葬用の「埋め墓」で、49日を過ぎれば別の所に造られた「参り墓(拝み墓)」のみに墓参をしたそうです。火葬が主流となってからは、この制度は廃れたそうです。ここから西に向かって坂を上ってゆきますが、この道は西高野街道と天野街道を繋ぐ道で、途中には伊勢灯篭が建っています。
写真の付近には、金蔵寺に向かう山門が建っていて、その痕跡として「法界塔」の跡が残っています。 ここから数分で三都神社に着きますが、この神社の主祭神はイザナギ・イザナミ・スサノオの家族が一堂に祀られています。 天野山金剛寺から熊野詣に行く人がこの神社に立ち寄ってお参りしたことから今熊野と呼ばれ、そこからこの地の地名の今熊となったと言われているそうです。
伝承では、この神社は飛鳥時代の推古天皇の御代に建立されたといわれています。一石五輪塔には、大阪狭山市にある石造物としては最古の年号(1549年)の刻印があります。隣接してあった金蔵寺は、高野山や東寺を本山としない無本山真言宗の寺院で、享禄年間に焼失し、天文年間に再興された記録があるそうです。 そして明治の神仏分離令により金蔵寺は破棄され、山門にあった二体の仁王像は堺の法道寺に移されることとなったそうです。 その時に通った坂を登って天野街道に行くのですが、その坂が「いや坂」と呼ばれています。 その由来は、金蔵寺の仁王様が堺に運ばれるとき、「行くのんイヤや、行きとうない」と言ったと地元の伝承にあるそうで、そこからいや坂と呼ばれるようになったとか。
坂を登ったところが天野街道で、陶器山トンネルの上を通り、一般道に降りて桃山学院教育大学の横を通り、堺市営フォレストガーデンに着き、しばしの給水休憩です。休憩を終わって西へ20分ほど歩いたところに、上神谷の妙見さんと呼ばれる感應寺があり、ここの休憩所を借りて昼食タイムです。
11時50分に表に集合したときに雨が降っていましたが、これから感應寺の見学です。感應寺は、摂津の能勢妙見、河内の星田妙見と合わせて、大阪府3大妙見と呼ばれているそうです。大化元年に天竺からきた法道上人が、北極星を見て刻んだ妙見菩薩をこの地に祀ったのが始まりとされる古刹です。江戸時代の「まり突き唄」に、「一に生駒の聖天さん、二に上神谷の妙見さん、三に讃岐の金毘羅さん」と唄われていたそうです。
ここから約30分、谷へ降り、もう一度坂を登ったところにあるのが法道寺です。歩き初めて5分ほどで、雨も上がりました。 この寺院は感應寺と同じ法道上人が、7世紀中頃に開いたとされる高野山真言宗の寺院で、もともとの寺号を長福寺と言いましたが、徳川9代将軍家重が産まれ長福丸と名付けられたことから、同名であることを慎み法道寺と改号したそうです。
ここの山門に安置されているのが、金蔵寺から運ばれた2体の仁王像です。また、境内の食堂・多宝塔・十六羅漢像は国の重要文化財に指定されています。ここ法道寺が第1のゴールで、希望者は次に進むのですが、誰もここからバスで第2のゴールの泉北高速泉ヶ丘駅に戻る人はいませんでした。法道寺を出て約30分で、堺市で唯一の国宝のある桜井神社に着きます。途中の田んぼには水が張られ、田植えの準備が進められていました。
桜井神社は、かつて日本最大の須恵器の産地で、その技術を伝えた桜井臣一族の氏神だったそうです。祭神は、応神天皇・仲哀天皇・神功皇后です。天正5年の織田信長の根来寺焼き討ちのついでに攻められ、拝殿以外の伽藍が焼失したそうです。国宝の拝殿は数少ない割拝殿で、当時は一般的に檜皮葺の屋根でしたが、この拝殿は瓦葺きとなっているのも珍しいのです。ここ桜井神社の秋祭りに奉納される、大阪府指定の無形民俗文化財「上神谷のこおどり」は、雨乞い踊りがルーツとされているそうです。また近年は、年内で解散する人気グループの「嵐」のメンバー・桜井にちなんで、ファンの若い女性の参拝が増えているそうです。ここ桜井神社の前からもバスで泉北高速泉ヶ丘駅まで行けるのですが、最後まで歩くことにして約30分でゴールしました。
第3回はちょっと日時をおいた9月14日(土)に、奥河内の初秋の棚田などを巡るウォークで、南海高野線美加の台駅から同三日市町駅までの約9kmのコースを、ガイドさんの説明を聞きながら歩きます。参加希望者は、9月3日(火)までに、往復はがきで申し込んでください。 送り先は「〒586-8501 河内長野市原町1-1-1 河内長野市役所 産業観光課内 かわちながの観光ボランティア倶楽部 行」 記載事項は、代表者の氏名・住所・連絡先電話番号、同行者全員の氏名,返信用はがきの表面の住所・氏名を書いておきます。参加費は一人500円です。 9月14日ならまだまだ暑さが残っているかもしれませんが、山間の棚田を見て、山間を抜ける初秋の風を感じてみませんか。