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歴史街道倶楽部・歴史のまちウォーク 4月9日 中山道・宿場めぐり「番場・醒井・柏原 3つの宿場を訪ねて」

中山道は、江戸時代の五街道のひとつ。古代の東山道をほぼ踏襲、修復したものです。 今回は、草津から守山宿をめぐる第一回からはじまった近江中山道宿場めぐりの最終回、番場の忠太郎でも有名な番場宿から梅花藻など美しい名水の宿・醒井、そして最後の宿・やいと祭で有名な柏原宿をめぐりました。 4月9日、新大阪駅からバスで滋賀県米原市へ。 まずは番場宿を訪問しました。見学のスタートは、番場資料館。郷土の偉人である彫刻師・泉亮之の生家を活用し、亮之、亮俊、亮明三代の作品や資料が展示されています。また、国史跡で続日本百名城の鎌刃城跡の発掘当時の様子などを写真やパネルで紹介しています。館では、地元の歴史文化を伝えようと活動されている団体の泉さんが展示内容とあわせて、番場宿にまつわる歴史についても詳しく語っていただきました。

番場資料館からは、番場宿を米原観光ボランティアの案内で散策、蓮華寺へとむかいます。 蓮華寺は、聖徳太子により造営されたと伝わり、堂宇は室町時代に焼失。戦国時代に再興されたもので、南北朝時代、北条仲時以下432人が自害された場所として、また、「番場の忠太郎」のゆかりの場所として知られています。堂内ではお寺を管理する地元の方からお話をうかがいました。本堂からは満開の桜とミツバツツジが咲き誇り、樹齢1200年といわれる高野槇の緑との対比が美しく、参加者の方々もしばし鑑賞されていました。

2番目は醒井宿。梅花藻(6月~8月)で有名な宿場ですが、満開の桜が地蔵川を彩り、1年にこの時期にしか見ることができない風景を楽しむことができました。 ヴォーリズ建築の醒井資料館、オハツキイチョウと呼ばれる国の天然記念物が境内に建つ了徳寺などを見学し、本陣樋口山で昼食。ここは、その名前のとおり、醒井宿のたったひとつの本陣であったところ。美しい湧き水で育った名物のニジマスをいただきました。 昼食後、写真を撮ったり、お土産を買ったりの自由時間の後、ガイドの案内で問屋跡や居醒の清水、醒井宿の北の入口などを見学し、醒井宿をあとにしました。

3番目は柏原宿。宿場の南の入り口、一里塚跡から柏原宿を散策し、柏原歴史館へ。3つの入主屋造妻飾を重ねる重厚な表構えをもつ建物で柏原宿の歴史資料などを見学しました。北にそびえる標高1337mの伊吹山は古来より薬草の宝庫として知られていました。この地で産する蓬は伊吹艾となる良質のもので、柏原宿には10軒をこえる艾を売る店があったと言われています。現在唯一残されている伊吹もぐさ伊吹堂亀谷左京の前で説明していただきました。 街道のそこここに残る、宿場町の特徴をひとつひとつガイドしていただき、JR柏原駅で今回のツアーは終了。大阪への帰途につきました。 同じ内容のツアーを4月20日に実施します。