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歴史街道推進協議会 令和4年度 現地見学会 12月9日(金) 自然と歴史文化資源を活用した地域活性化の取り組みについて

当協議会では、会員間の情報交換、ノウハウの共有を目的に「歴史街道」関連地域で実施されている先進事例等の見学会を実施しています。この見学会を通し、訪問先の歴史・文化資源に触れ、地域の良さを再認識するとともに、それらに関わる人々との交流の場をもつことを目指しています。 3年ぶりとなった本年度は、天理市に3月21日に開村した「なら歴史芸術文化村」を訪れ、「自然と歴史文化資源を活用した地域活性化の取り組みについて」をテーマに実施し、11名のご参加をいただきました。 午前は「なら歴史芸術文化村」を見学。最初に、事業推進課大石朝子課長から開村に至るまでの歩みや施設についての概要を解説していただきました。

続いて、「文化財修復・展示棟」にある工房に移動し、学芸員の方に解説していただきながら「歴史的建造物」「考古遺物」「仏像等彫刻」「絵画・書跡等」の4分野の修復作業をガラス越しに見学させていただきました。 これら修復現場の通年公開は国内で初めてのことです。修復作業を間近に見せていただき、そのきめ細やかな作業に皆さん感心されていました。 展示室では、特集展示「奈良県指定の文化財」が開催中で、令和3年度に新たに指定された文化財や、工房で修復が完了した文化財についても、その工程を交えて紹介されていて、こちらも学芸員の方にわかりやすく解説をしていただきました。

なら歴史芸術文化村をあとにして、昼食場所の天理観光農園の「Cafeわわ」へ。 にゅうめんなどをいただいて、テーブルごとに、しばらく団欒のひととき。

午後のウォークは、天理市環境経済部の東 博参与に案内していただきました。 「内山永久寺跡」は、神仏分離で廃寺となり、本堂池だけが残っています。池を見下ろせる場所で詳しく解説していただき、盛時にはいかに広大な敷地であったかを絵図を見ながら想像をふくらませました。 絵図には、大正3年に石上神宮に移築された摂社出雲建雄神社拝殿(せっしゃいずもたけおじんじゃはいでん)が見て取れました。内山永久寺の建物の遺構として貴重なもので国宝に指定されています。このあと、石上神宮を訪れた際に、実物を見ることができました。中央に馬道(めどう)と呼ばれる土間を設けて通り抜けられるようになっている拝殿で、割拝殿といわれます。馬道上部には唐破風が備えられ、特徴ある建物でした。 石上神宮では拝殿にて正式参拝をさせていただき、境内では神職から詳しい説明をしていただきました。正式参拝という貴重な体験ができて良かったとのお声がありました。

次に西山古墳へ。残念ながら、この時期は雑草に覆われているため、古墳の全容はわかりませんが、東参与に解説していただき、続いて訪れた天理参考館で、ドローンによる空撮映像を見せていただきました。墳丘は三段築成で、中段および上段が前方後円形、下段が前方後方形という、他にない特殊な形をしていることがよく理解できました。 天理参考館は、世界各地の生活文化・歴史を知ることができる資料や考古美術に関する貴重な資料や宝物を収集・研究されています。収蔵品は約30万点。このなかから、約3,000点を、常設展や特別展・企画展で見ることができます。少し駆け足になりましたが、館内を各自で自由に見学していただきました。 ここで現地見学会は終了し、ご希望の方には、天理商店街にある稲田酒造さんの特別な計らいで利き酒をしていただきました。 今回の現地見学会では、「なら歴史芸術文化村」で歴史・芸術・文化を体感していただき、午後のウォークでは、自然も含めて五感で体感していただけたのではないでしょうか。 アンケートには、「なら歴史芸術文化村では、文化財修復工房での作業の様子を学芸員の解説とともに間近で見学という貴重な体験ができた」「普段接することのない会員の方たちと情報交換ができた」「現地へ訪れることの大切さをあらためて実感した」など、たいへん有意義であったとのご意見をいただきました。 ご参加いただきました皆さま、そしてご案内をしていただきました皆さま、たいへんお世話になりました。 次回開催時も皆さまのご参加をお待ちしております。