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歴史街道推進協議会設立30周年記念フォーラム

未来へ続く歴史街道

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11月1日(月)、大阪市中央公会堂大集会室において、歴史街道推進協議会設立30周年記念フォーラム「未来へ続く歴史街道」を開催。320名の方にご参加いただきました。

フォーラムでは、歴史・文化・伝統を次の世代につなげていくことの意義、歴史街道の果たす役割について、ご出演の皆様とともに考えました。

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冒頭、当協議会会長の松本正義から、30周年を迎えるにあたり、これまでご支援をいただいてきた皆様への感謝の気持ちをお伝えするとともに、今後も関西の豊かな歴史・文化を活かして、歴史街道の魅力を広く国内外へと発信し、地域や日本の発展にもつなげていきたいとご挨拶を申し上げました。

続いて事務局より1991年の協議会設立から今日に至るまでの「歴史街道30年のあゆみ」をご紹介しました。

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次に彬子女王殿下にご登壇いただき、「文化が生きる街 文化を生かす街」と題し、ご講演いただきました。ご自身が主宰されている「心游舎」では、日本の未来を担う子どもたちに本物の日本文化に触れる機会を提供し、生活の中に取り入れるきっかけを提供するワークショップを全国各地で開催されています。子どもたちが、生き生きと伝統文化を体験・体感している様子が紹介されました。彬子女王殿下が日本文化を伝えていきたいと思われるようになったきっかけは、留学中に日本について尋ねられたことからだそうです。「日本人一人一人が、これは大切な文化だから守っていきましょうと思ってくださるように、日本文化の素晴らしさを一人でも多くの方に知っていただき、日本文化が生き続けるための環境を作る努力をしなければならない」と思うようになられたということでした。文化というものは、生活の中に息づいているからこそ文化と言える、必要とされなくなることで文化はなくなっていくともおっしゃっていました。最後に、比叡山延暦寺の1200年以上続く「不滅の法灯」を例に、ご自身も、「多くの子どもたち、また大人の皆さまにも、伝統という灯(ともしび)をこれからも伝え続けていける存在でありたいと思います」と締めくくられました。

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パネルディスカッションは、伝統・文化を受け継いで、各方面でご活躍されている4名の方にご登壇いただき「受け継がれる伝統文化」をテーマにお話いただきました。彬子女王殿下のご講演で、「文化は需要と供給のバランスで成り立っていること」「伝統文化を受け継ぐだけでなく、担い手を育てることも大切」と語られたことを受け、華道家元池坊 次期家元 池坊専好さん、文筆家の千種清美さん、山本能楽堂事務局長山本佳誌枝さん、染司よしおか六代目吉岡更紗さん、それぞれにご自身の活動や伝統を引き継ぎ、伝える喜びや苦しみ、また歴史街道が果たす役割などについてお話いただきました。

「担い手がいるからこそ、つながっていく」「何かに卓越した人だけのものではなく、一人一人が受信者、発信者、伝承者である」「まわりの人から聞いたことを、また発信していく」「文化は人のなかで生き続ける」といったご意見をいただきました。

 

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アンケートでは「彬子女王殿下のお話に感銘を受けた」「後継者を育てる必要性を実感し、今何ができるかを考えてみようと思った」「さまざまな生活文化を伝え、引き継ぐことを怠っていると感じた」「大人が心豊かにならないと子どもたちにも伝えられない」といったご意見が寄せられました。

 

伝統文化と難しく考えずに、日常のなかでまず体験してみること、感じていることを大事にしながら過ごしていくことが伝統・文化を継承することにつながるということ、歴史街道としても、その一端を担い、歴史文化の宝庫である関西の魅力を今後も広く発信していきます。

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