地域連携事業 紀伊山地三霊場会議

ごあいさつ

 この度、紀伊山地三霊場会役員会に於て、第三代総裁に選任されました大峯山寺の福井良盟と申します。私にとりましては予想もしなかった大役でございますが、在任中精一杯の努力を致す所存でございますので、宜しく御助力頂けますようお願い申し上げます。

 この役を頂いて、改めて初代金剛峯寺座主松長有慶猊下、第二代熊野本宮大社上野顯宮司、代表幹事を引き受けて下さっている金峯山寺管領五條良知猊下に感謝申し上げると共に、「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録準備の際、高野山、熊野三山、熊野参詣三道、町石道に加えて大峯奥駈道を顕著で普遍的な同価値の遺産と認めて下さった皆様の大心に敬意を表します。

 私達の紀伊半島、特に中央構造線から南の紀伊山地は日本史の全時代を通じて日本文化の基盤を守り継いできた、あるいは東に鎮座する伊勢神宮を含めて日本宗教、日本精神の土壌を担い続けてきた霊場であると言えます。

 昨今、我が国民の宗教に対する感性は微妙に変化していると思える処があります。三霊場の伝統を保持する役割を受け継ぐ我々は「第一の門番」として、崇敬者・地元民と共に、各々に呼び方は変っても、人間の力でははるかに及ばないsomething greatへの祈りを、日本精神の要に位置付け続ける責務があります。

 極めて微弱な私ですが三霊場の指導者の皆様の結束が叶うなら日本精神を増々高揚することができると信じております。

令和3年11月

紀伊山地三霊場会議 総裁
大峯山寺護持院 竹林院 住職
福井 良盟