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「子供と親の文化遺産講座」奈良の鹿と人の長くてふか~い物語

1300年以上にわたって受け継がれてきた奈良の文化遺産や自然環境について学ぶことを通じて、「持続可能な社会のあり方」について親子で考える契機となることを目指す。  今回は天然記念物「奈良の鹿」を取り上げ、奈良の地で人が共に生きてきた歴史について学んだ後、奈良町や奈良公園の鹿に関連する場所などを見学した。また、奈良の鹿愛護会に協力いただき、鹿を取り巻く現状の話や鹿苑の見学、鹿の角細工体験なども行った。鹿と人の共生の歴史や現状について、五感を通じて体験的に学習してもらう。

開催日:2011年10月22日(土)
ならまちセンター

レポート

午前中は、なぜ奈良には鹿がいるの?
鹿の保護と管理の仕組みって?
など奈良の地で鹿と人が共に生きてきた歴史についてレクチャーをうけました。

昼食後は、渡辺準教授の案内で、奈良町や奈良公園の鹿にまつわる場所を見学。
奈良格子は鹿の角から守るため開発されたとか。でも、鹿の角を守るため表面は丸くしてあります。
江戸時代、鹿の角切りは町中で行われていて、防犯のための木戸を閉めて鹿が町の外に出ないようしたそうです。 奈良町資料館にその名残が・・・。
大御堂では、「石子詰め」の伝説をお話いただきました。中世・近世の頃、鹿に害を加えると、厳しく罰せられたそうです。
そのあとは、奈良公園へ。奈良公園は、鹿が下草をたくさん食べてくれるから、とっても見通しがよくなっています。
そんな鹿と共存する奈良公園では、鹿に食べられないように大変身した、触ると痛いイラクサや鹿が作った鹿道などいろいろな不思議を発見することができました。

見学の後は、奈良の鹿愛護会のスタッフの方から「奈良の鹿の現状について」お話いただき、鹿の角細工体験。
今回は、鹿の角でストラップづくりに挑戦!!
最後には、鹿苑を見学。
約300頭の鹿が収容されています。農作物被害など、悪さをした鹿はここから一生出られないとか。交通事故などで怪我をした鹿もいて、ちょっとせつない・・・。
観光、生活、農業、自然環境保護・・・そこにはなかなか一筋縄ではいかない鹿と人の共生の課題がありました。
そして、その課題こそ「奈良の鹿と人の長くてふか~い物語」の歴史でもありました。
参加いただいた方にとっては、楽しさの中にもじっくり親子で考える貴重な一日になったようです。

概要

開催日 2011年10月22日(土)
場所 ならまちセンター