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イベント報告:東京・奈良まほろば館セミナー

「木簡が語る奈良の都とその時代」

木簡とは、発掘調査で出土する墨書のある木片の総称であり、全国の都道府県で木簡が出土していないところはひとつもない。残そうという意志のもとに残されたものではなく、ごみとして捨てられ腐敗せず残ったもの(意外なことに、木簡が見つかるのは地下水がたっぷりある場所なのだそうです。乾湿を繰り返すとバクテリアが活発に働き腐敗するため、木簡は、からからに乾いた場所か、地下水がたっぷりの場所からしか見つからないとのこと。)
木簡の持つ情報は文字だけではなく、木製品、また考古遺物としての情報も併せ持っており、これを総合的にとらえることが重要。
大きさは、わずか5ミリの木の削り屑から30センチ程度のものまで、大小さまざま。細かなものは発掘現場でとりあげることはせず、土ごと持ち帰り、洗浄・保存処理を行う。
―――等々の非常に興味深いお話のあと、「木簡の発掘調査は、世界に誇るべき文化事業であり、世代を超えてまだまだ調べていくもの」「発掘・洗浄・保存処理は気の遠くなるような作業だけれども、手のかかる子ほどかわいい。もっと掘りたい、木簡を救出したいという思いがある」とおっしゃり、研究への深く熱い思いを時間いっぱいに語っていただきました。

実はセミナー当日は台風の影響が心配されましたが、渡辺副所長は前日に奈良から東京に移動して備えてくださいました。歴史街道倶楽部のセミナーやイベントは、このような講師の方々の熱い思いに支えられています。本当にありがとうございます。皆様も、セミナーやウォーク、歌舞伎や文楽などの伝統芸能鑑賞会、バスツアーなど、歴史街道のイベントに参加なさいませんか?皆様のご参加および倶楽部へのご入会をお待ちしております。