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イベント

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シリーズ第2回「日本の世界遺産を訪ねて」

目で観る!心で祈る!足で歩く!

世界遺産「熊野古道」を行く

募集内容

実施日
2008年5月20日(火)~21日(水)
2008年5月29日(木)~30日(金)

行程

【1日目】
JR新大阪駅前=滝尻王子===牛馬童子===近露王子:昼食===オプション体験プラン・夜の語り部(宿泊:霧の郷たかはら)

【2日目】
発心門王子===水呑王子===伏拝王子:昼食===祓戸王子===熊野本宮大社===大斎原===JR新大阪駅前

レポート

実施日:2008年5月20日(火)~21日(水)
2008年5月29日(木)~30日(金)

参加人数:各日24名

東北福島よりの参加とあって、皆様方には親切にお声をかけてくださり、また、東北ゆかりの方々もいらして歓迎していただきました。私は以前より熊野古道に興味があり、一度は訪れてみたい地のひとつでありました。平安・鎌倉の時代よりすべて歩いて、上皇様から一般庶民まで詣でたという道。後鳥羽上皇を案内した藤原定家は風邪で体調をくずしながらの旅をし、庶民の参拝旅では命を落とす人もいて、その時はその地に葬ってくれるようにという手紙を持っての旅であったとか。瀕死の状態で参拝した小栗判官はじめ人々の病気が全快して帰ったという話に、熊野権現とは昔の人々にとって聖地であり、祈りの場であり、何ヶ月もかけて命がけで参拝するに値したものだったと思いました。
滝尻、発心門などの格式高い五体王子では、舞、神楽、白拍子などが熊野御幸において奉納されるなど、優雅な一面もあったことにも驚かされました。伏拝王子では木々の間から遠く大斎原の大鳥居が見え、昔の人々もここから本宮大社を伏し拝んだと聞き、自然に手を合わせました。また、和泉式部もこの地にとどまり歌を詠んだと聞き、恋多き多感な彼女にこのような信心の一面もあったのかとびっくりしてしまいました。水呑王子では「せんだん」の大木が一本、淡紫色の花を満開に咲かせていたのが印象的でした。
熊野本宮大社に着いた時はホッとしましたが、次に訪れた大斎原の方が胸に迫りくるものがありました。建物はなくても昔の人はここをめざして、がんばってきたと思うと聖地の感がしました。語り部さんは熊野の生き字引そのものと思われる方たちで、今の私どもにも相通ずるような貴重なお話を聞き、勉強いたしました。昔の人たちの汗と涙がしみついた古道を、彼らの純粋な信仰心を感じながら歩いた二日間は、私にとって心に残る旅でありました。

歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載