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木簡が語る奈良の都とその時代

さまざまな木簡 (上段右から、荷札木簡・文書木簡・考選木簡・告知札、下段右から、習書木簡・伝票木簡) (写真提供:奈良文化財研究所)

毎年恒例になりました「奈良まほろば館セミナー」。
今回は、2017年に古文書として国宝にも指定された、奈良の都の木簡(もっかん)に迫ります。
最近は教科書などでもおなじみになってきた木簡ですが、脆弱な資料であるためなかなか実物をご覧になる機会は少なく、その実態をご存じの方は少ないのではないでしょうか?
役所内の文書や記録、租税を納める際の荷札、文字の練習など、ごくありふれた用途に使われた木簡ですが、日常生活の解明だけでなく歴史を書き換える可能性も秘めています。1300年近い眠りから覚めた木簡をご紹介し、それが明らかにする奈良の都・平城京とその時代について、いろいろな角度から迫ってみたいと思います。

【講師】 奈良文化財研究所副所長 渡辺 晃宏氏
1960年東京生まれ。東京大学文学部卒業、同大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。 1989年奈良国立文化財研究所に入所。以来、平城宮・京跡の発掘調査と出土する木簡などの出土文字資料の整理・解読に携わる。 2017年より現職。趣味はクラシック音楽(特にバッハとモーツァルト)と山歩き。

募集内容

実施日
2019年9月22日(日
集合場所
奈良まほろば館(東京メトロ銀座線・半蔵門線「三越前駅」A1出口上がってすぐ)
募集人数
70名様(先着順/最少催行人数20名)
※会員の同伴者も受付いたします。
参加費用
お一人様  1,000円(資料代等/税込)
時間
13時~14時30分 
主催
歴史街道推進協議会・奈良まほろば館
協力
奈良文化財研究所

申込方法

ハガキに会員番号、氏名、電話番号を明記の上、
歴史街道倶楽部 「奈良まほろば館・木簡」係
までお申込みください。

住 所: 〒530-0005 大阪市北区中之島2-2-2 大阪中之島ビル7階
FAX: 06-6223-7234

メール: club-info@rekishikaido.gr.jp

申込締切日

2019年9月6日 (金)

レポート

実施日:2019年9月22日(日

木簡とは、発掘調査で出土する墨書のある木片の総称であり、全国の都道府県で木簡が出土していないところはひとつもない。残そうという意志のもとに残されたものではなく、ごみとして捨てられ腐敗せず残ったもの(意外なことに、木簡が見つかるのは地下水がたっぷりある場所なのだそうです。乾湿を繰り返すとバクテリアが活発に働き腐敗するため、木簡は、からからに乾いた場所か、地下水がたっぷりの場所からしか見つからないとのこと。)
木簡の持つ情報は文字だけではなく、木製品、また考古遺物としての情報も併せ持っており、これを総合的にとらえることが重要。
大きさは、わずか5ミリの木の削り屑から30センチ程度のものまで、大小さまざま。細かなものは発掘現場でとりあげることはせず、土ごと持ち帰り、洗浄・保存処理を行う。
―――等々の非常に興味深いお話のあと、「木簡の発掘調査は、世界に誇るべき文化事業であり、世代を超えてまだまだ調べていくもの」「発掘・洗浄・保存処理は気の遠くなるような作業だけれども、手のかかる子ほどかわいい。もっと掘りたい、木簡を救出したいという思いがある」とおっしゃり、研究への深く熱い思いを時間いっぱいに語っていただきました。

実はセミナー当日は台風の影響が心配されましたが、渡辺副所長は前日に奈良から東京に移動して備えてくださいました。歴史街道倶楽部のセミナーやイベントは、このような講師の方々の熱い思いに支えられています。本当にありがとうございます。皆様も、セミナーやウォーク、歌舞伎や文楽などの伝統芸能鑑賞会、バスツアーなど、歴史街道のイベントに参加なさいませんか?皆様のご参加および倶楽部へのご入会をお待ちしております。