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イベント

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猪名川の清流と風に誘われて

黄金伝説の郷 多田銀銅山と木喰仏の里を訪ねる

こんな近くにもある銀山遺跡へどうぞ

募集内容

実施日
2008年9月26日(金)

行程

能勢電鉄日生中央駅前===多田銀銅山(悠久の館・代官所跡・金山彦神社・青木間歩・台所間歩ほか)===ふるさと館・・・天乳寺===阿古谷毘沙門堂===能勢電鉄日生中央駅前

レポート

実施日:2008年9月26日(金)

参加人数:91名

雨中の秋、伝説の地、多田銀銅山を初訪。四億五千万両の埋蔵金はあるのかな?「黄金伝説の郷」にロマンを感じて坑道「間歩」を散策。古代、金剛山の「役の小角」が倭の山々に鉱脈を求めて巡り歩き、平安の世に多田源氏の祖が間歩を開抗。広大な金属鉱床地帯から宝庫を探り出したのだろうか。このような暗き坑道のなかで一年の大半を労働した人たちは月に二回の休みが有るか無きかで、きっと後半の人生は病魔に冒されて平均寿命は短かっただろう。年に一度、二度の祭りと遊郭遊び以外は信仰に生き甲斐を見出すしかなかったに違いない。
この後、銀山にかかる公儀の銀山橋、敏達天皇時代開基の甘露寺、鉱山の神・金山彦神社、秀吉ゆかりの台所・瓢箪間歩、木喰明満上人が姿を現した毘沙門堂と、阪神最高峰大野山源流の猪名川マップを愉しませてもらった。
私はこの深山幽谷なる銀山を拝見し、中国は荀子の一説「積土の山を成さば風雨興り、積水の淵を成さば蛟竜生ず」を思い起こす。「人々は日々小さな努力を積み重ねて行くと、ついに山のような巨きさに成る。そうなるといままで辺りに風もなく雨もなかったのに風雨が起こるようになる。水も深くなければ蛟竜は住めない」。人の学識や度量もそうであろうが、いかに多くの抗夫たちが多年月をかけて我が国土発展のために銀銅を掘り出してきたのか、日本経済の基礎もこのような鉱山開発発掘にあったのだろう。長い歴史の先人たちの苦労にいろんな思いを描いた散策であった。

歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載