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イベント

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石仏と古刹のまち 当尾を訪ねる

募集内容

実施日
2007年11月16日(金)

行程

近鉄奈良駅前===岩船寺(法話)・昼食・・・石仏散策(不動明王立像・わらい仏・阿弥陀地蔵磨崖仏・藪の中の三尊磨崖像)・・・浄瑠璃寺(法話/秘仏:吉祥天女立像開扉)・・・石仏散策(首切地蔵・大門石像群・大門仏谷)・・・加茂青少年山の家===近鉄奈良駅前

レポート

実施日:2007年11月16日(金)

参加人数:91名

石仏と古刹の里、当尾に行ってまいりました。当日はこの秋一番の冷え込みで、さすがに山里の秋を感じさせてくれる一日でした。2班に分かれ、貸し切りの路線バスに揺られて岩船寺へ。創建は古く天平時代というこのお寺は、聖武天皇の勅願により行基が創建したと伝えられます。また、関西花の寺第15番札所となっており、ウインターコスモスやアメジストセージが境内を彩り、目を楽しませてくれました。ご法話と境内散策の後は昼食です。美味しいお弁当だったのですが、なんせこの冷え込みで…熱いお茶が欲しい!なんて思いながらも、お喋りを楽しみつつ、和やかなひとときでした。
さぁお腹もいっぱいになったところで、いよいよ石仏巡りです。ボランティアガイドさんの誘導のもと、浄瑠璃寺を目指して約2キロの素朴な山道を歩いて行きます。どんな石の仏様に逢えるのでしょうか。わくわくドキドキしながら昔話の世界に溶け込んだような感覚でした。数ある石仏のなかでも、ほっとさせられるのが「わらい仏」です。優しい笑みをたたえた阿弥陀三尊で、見ているだけで心が温かくなりました。そのすぐ横に「眠り仏(地蔵石仏)」がいらっしゃって長い間土のなかで休んでいるそうです。そのお姿に哀愁を感じ、手を合わせたのは私だけでしょうか。無人のつり店があちこちにあって、南瓜や里芋、柿、漬け物、お茶など、1袋100円から売られていて、草餅は素朴な味で美味しかったです。
ほっこりするような石仏を次々と巡って、ようやく浄瑠璃寺に到着です。東の薬師仏に苦悩の救済を願い、ふり返って池越しに彼岸の阿弥陀仏に来迎を願う…。間近に九体の阿弥陀様を拝むことができ、感動の瞬間ですね。お庭では宝池に映る紅葉とススキが秋の風情を添えていて、まさに平安時代の面影を残す光景でした。拝観のあとは加茂青少年山の家を目指して1.3キロの道程を歩いたのですが、雲行きが怪しく、途中通り雨に遭いました。しかし、木々のアーチに守られて、無事に通過することができました。これも野仏様のご加護でしょうか、嬉しいですね。
歴史街道倶楽部に入会して約3ヶ月、ボランティアスタッフにも参加させていただいております。旅は日常から自分を切り離せる絶好の機会です。歴史の旅人となりロマンへの扉を開いてみませんか。皆様との出会いを楽しみにしています。

歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載