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イベント

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行きたいさかい、そやさかい、古代ロマンの堺を行く

募集内容

実施日
2004年4月24日(土)

レポート

実施日:2004年4月24日(土)

参加人数:157名

中世では文化、交易の中心といわれ大いに栄えていた堺。戦国時代を舞台にした大河ドラマに、堺やそこを基盤に活躍した商人がよく登場しますが、歴史的な遺跡を訪ねてまわるというのは初めてで、興味深く楽しみにしておりました。
集合場所の三国ヶ丘から出発して、仁徳御陵を西側から回り込むように前方後円墳の正面へ。二重三重の堀に囲まれ、鬱蒼とした森ともいえる小山の内にあります古墳を想像しながら一時間ばかり歩きました。そして、大仙公園内の堺市博物館、お茶室、日本庭園を巡って、お楽しみのお弁当を屋外でいただきました。この日は天候にも恵まれ、あまり暑くはなかったのですが、時々強い風が吹き、肌寒く感じられる時もあったでしょうか…。
さて、午後から訪ねた大安寺の本堂の障壁画は誠にすばらしかったです。自然光によって枯れた金箔色が静かに浮かび上がり、時を重ねた奥深い色調がしみじみと心に染み渡ります。そのなかで、四枚ほどまったく無地状態の襖があり、それが明治の初期に盗まれたままで、いまだに発見されていないとのこと。いつかどこかで、ひょっとして外国の美術館で展示されているのに出会うかも知れませんね。描かれている猿や鶴が日本で生育していない大陸のものであったり、生き生きと描かれている二十三羽の鶴の描写が実写でなく画師の苦心による想像であるというガイドさんの説明で、この堺が当時いかに様々の人の往来があり交流の場、世界都市の一つであったかを感ぜずにはいられません。
コースの最後に回りました南宗寺の広い庭にありますキリシタン灯籠も印象的で、石庭を眺めながら縁先に腰をおろし、ガイドさんの説明に耳を傾け、今日一日の実りある時を思い出しながら、今後これを機会にもっともっと堺を勉強したいと強く思い、この企画に感謝しました。

歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載