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イベント

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御仏と剣豪の里 紅葉の柳生街道を行く

募集内容

実施日
2003年11月29日(土)

レポート

実施日:2003年11月29日(土)

参加人数:228名

前夜からのあやしい雲行き、当日朝も強い風と時折降る雨のなか、近鉄奈良駅の行基像前に集合しました。
午前中、まずは滝坂の道を散策。散策といっても雨のため足下も悪く、なかなかの難路でした。でも、晩秋に散り残った真っ赤なもみじが、雨でさらに鮮やかさを増して、目にしみるような姿を見せていたのが印象的でした。今歩いている、まさにこの道を数々の有名無名の剣豪たちが行き来していたのだなあと感慨深くもありました。道々ふと足を休めると、そこここに点在する、朝日観音、夕日観音などの苔むした石仏たちが心を和ませてくれました。昔の人たちは仏たちに何を祈りながらこの道を歩いたのでしょうか。そんなことを想像するのも滝坂の道の魅力の一つだと思いました。息をきらしながら歩き終えて、バスに乗り込みほっと一息。そのまま柳生の里へ。こちらも滝坂の道ほどではないですが、起伏の多いなかなかの道。四方を山に囲まれた隠れ里というか、柳生の一族が大切に守り育てた別天地のような印象でした。
当日の雨が唯一幸いしたのは、昼食場所が正木坂道場内に変更になったことでした。多くの剣士たちの汗を吸って、なんともいえない風合いになった床。これといった装飾もない道場内は質実剛健の気風を漂わせていました。昼食後に柳生一族の菩提寺、芳徳寺の住職さんの法話を聴きました。大河ドラマとその原作、歴史的事実との比較など多岐にわたるお話、さらに住職自らによる柳生新陰流の実演など、見ごたえ聴きごたえのある充実したお話でした。法話のあとは伝説の一刀石をはじめ、柳生の名所をめぐりました。その後、バスで忍辱山円成寺へ移動。苑池と堂宇、背後の山々が見事に調和して、一体感のある美を醸し出していました。また本堂内の柱絵の仏たちの優雅さには目をみはりました。
多少道のきついところもありましたが、充実したウォーキングとなりました。

歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載