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イベント

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歴史にふれる伝統的地場産業探訪の旅

紀州路・石神の観梅と熊野古道

募集内容

実施日
2001年2月16日(金)~17日(土)

レポート

実施日:2001年2月16日(金)~17日(土)

参加人数:19名

的地場産業探訪ということで、まずは紀州の備長炭記念公園へ。焼かれている馬目樫や、窯の回りに積み上げられた灰(焼き上がった炭を急激に冷ますためのもの)の埃っぽさに、いつかどこかで嗅いだような、記憶の奥底につながる懐かしい匂いに包まれるように思いました。小さく開けられた窯口から見える真赤な炎を見ながら、昔の人の智恵と今新たに見直されつつあるその効用に、歴史と熱いものを感じます。窯出しを見ることはできませんでしたが車中ビデオで学習させていただいたおかげで、炭焼きの方のお話をうかがうだけでなく、いろんな質問も自然に出てきました。
食後は備長炭の風鈴の手作り体験。余分なものを削ぎ取られた樹の真の命の響きともいうような澄み切った音に、早春の風が青く感じられたひとときでした。
たなびく紫煙を後に観梅に向かいましたが、残念ながら「解かれかけ解かれぬままに梅寒し」でした。うめ振興館ではしっかり梅干の試食をし、梅干がこんなに食べられるものとはびっくりです。もちろんお土産にも。
明けて翌日は、滝尻王子から近露王子、継桜王子、野中の清水と熊野古道をバスと徒歩で語り部さんと一緒に回りました。
熊野古道に魅せられて参加した旅でしたが、満天の星空の下で咲きはじめた梅を観ながら梅仙人の梅酒をいただいたことが何よりの体験でした。備長炭の風鈴の音を聞くたび、今もあの感動はよみがえってきます。

歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載