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イベント

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室生寺五重塔修復記念特別企画

心の故郷 よみがえる室生寺

募集内容

実施日
2000年11月15日(水)・18日(土)

レポート

実施日:2000年11月15日(水)・18日(土)

参加人数:それぞれ143名と97名

最初に訪れたのは、宇陀川の畔に建つ大野寺。川の流れの向こう岸に見える弥勒磨崖仏の何ともいえぬ柔らかい線の姿や優しい顔に、心和む一時を過ごしました。古の人々はここをどの様な思いで訪ね来しと思いながら、次の室生寺へとバスで移動。女人高野、室生寺に着くと、太鼓橋の向こうから紅葉の鮮やかな色が迎えてくれました。
客殿での奈良県文化財保存事務所の松田敏行氏の講演で、平成10年9月22日の嵐によって被害を受けた五重塔の痛ましい様子を聞き、テレビで見た姿を再認識しました。建築知識のない私にも分かりやすいスライドを使った解説や、修復時の苦労話などの感動的なお話に、早く五重塔を見たいと心が急ぎます。
境内の木々が何もなかったかのように静かに導いてくれるなか、1200年の時をタイムスリップしたように、秋の陽が注ぐ階段の上に、乙女のように可憐で色鮮やかな朱塗りの五重塔がありました。古くから受け継いできた工匠の素晴らしい技と、木が持っている生命によって、今、この美しい姿が再びよみがえったのだと感じました。
そして最後は、心が残る室生寺を後に、龍穴神社までのんびりハイキング。神社の大木の杉は見事なものでした。もう少し時間があればと思いましたが、次の探訪の楽しみを残しておいてくれたのかなと思います。

歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載