熊野街道をたどる〈第三回〉は南海高野線我孫子前駅から出発します。ここからすぐ熊野街道に入り、大和川を渡って堺市を南下し、仁徳天皇陵古墳を目指します。堺市内の熊野街道は中世に堺のまちが発展を遂げたため、ある段階で海岸部へとルート変更がおこなわれたと考えられていますが、今回はその以前のルートを念頭に歩きます。「伝境王子跡碑」のほか堺の丘陵部の歴史を伝える方違神社、旧向泉寺閼伽井、そしてゴールの仁徳天皇陵古墳という古代以来の豊かな歴史遺産を味わいながらの散策です。

【講　　師】大澤　研一（大阪歴史博物館　館長、博士（文学））
1962年、岩手県生まれ。大阪市立大学文学部（日本史専攻）卒業。同大学文学研究科を経て、大阪市立博物館の学芸員に。2001年大阪歴史博物館企画広報係長。以降同館企画広報課長、学芸課長、副館長を経て、2020年4月より館長。主著に『戦国織豊期大坂の都市史的研究』思文閣出版、共編著に『寺内町の研究』法蔵館、『岸和田古城から城下町へ 中世・近世の岸和田』和泉書院、『秀吉と大阪 城と城下町』和泉書院などがある。