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夏休み文楽特別公演 事前解説付き

通し狂言 仮名手本忠臣蔵 五段目より七段目まで

国立文楽劇場開場35周年を記念して、3回に分けて全段が上演される、通し狂言『仮名手本忠臣蔵』。4月公演では、「大序」から塩谷判官(浅野長矩)の切腹の場に大星由良助(大石内蔵助)が駆けつける「四段目」までが上演されました。
塩谷判官切腹の段は、客席への出入りが禁止されている「通さん場」として上演され、人形遣い、太夫、三味線の三者それぞれが、 張り詰めた緊張感を見事に表現されていました。ご覧になった方には、たいへん印象深い場面ではなかったでしょうか。
今回の夏休み特別公演は、「五段目」山崎街道出合いの段、二つ玉の段、「六段目」身売りの段、早野勘平腹切の段、 「七段目」祇園一力茶屋の段 をご覧いただきます。主君の恨みを晴らさんと準備を進める家臣たちと、それに巻き込まれていく家族や友人、恋人…。
鑑賞前の事前解説は、人形遣いの方に実演と見どころの解説をしていただきます。

【あらすじ】
判官の悲劇は、家臣・早野勘平とその恋人おかるの運命も翻弄します。逢瀬の最中に刃傷事件が起きたことで、大きな不面目を負い、ふたりは摂津山崎のおかるの実家に身を寄せ再起をはかります。しかしその行動がことごとく裏目にでて、勘平はついに非業の死を遂げます。はなやかな祇園の廓で遊興にふける大星由良助と、探りを入れる師直方の人々の虚々実々のやりとりが展開されます。夫勘平の死を知らず再会を心待ちにするおかる、その兄平右衛門の情愛も織り込まれ、物語は進みます。 (国立文楽劇場パンフレットより)

募集内容

実施日
2019年8月4日(日)
集合場所
国立文楽劇場 正面入口  (近鉄・地下鉄「日本橋駅」7号出口より東へ徒歩約1分)
受付・集合
受付=12時45分  開始=13時00分
募集人数
30名(先着順)
参加費用
お一人様 歴史街道倶楽部会員7,500円(税込) 一般8,000円(税込)  
※観劇料、講師料、プログラム代を含みます。(お弁当・お茶はついておりません)
※集合場所までの往復交通費など個人的な費用は各自負担となります。
主催
歴史街道推進協議会

行程

内容
13:00 人形遣いの方による事前解説 
13:40 劇場へ移動 
14:00 通し狂言 仮名手本忠臣蔵 鑑賞 
      「五段目」山崎街道出合いの段、二つ玉の段
      「六段目」身売りの段、早野勘平腹切の段
      「七段目」祇園一力茶屋の段
17:40 終演予定 
※諸事情により一部変更になる場合があります。

申込方法

ハガキまたはFAX、メールに会員番号(歴史街道倶楽部会員)、氏名、住所、電話番号を明記の上、
歴史街道倶楽部 「文楽 2」係
までお申込みください。

住 所: 〒530-0005 大阪市北区中之島2-2-2 大阪中之島ビル7階
FAX: 06-6223-7234

メール: club-info@rekishikaido.gr.jp

申込締切日

2019年7月22日 (月)

レポート

実施日:2019年8月4日(日)

参加人数:19名

吉田勘市さんによる事前解説

人形遣いを体験

 国立文楽劇場で初めて人形浄瑠璃文楽を鑑賞しました。最初に30分ほど人形遣いの吉田勘市さんによる事前説明がありました。初めてなのでこの解説はとても参考になりました。
 人形遣いは、主遣い(かしらと右手)、左遣い(左手)、足遣い(脚)と3人で操作し、主使いの合図によって呼吸を合わせるのだそうです。これには30年ほどの年月が掛かるということでした。15歳で入門して45歳で一人前ということになりますね。このように卓越した技術で支えられている奥の深さを実感しました。人形を使っての顔の表情や感情の表し方の実演のほか、人形の足が舞台に隠れることのないように草鞋を履いた下駄で身長の差をカバーすることなどを知りました。私は実際に人形を持たせていただき、貴重な体験となりました。文楽は世界の数ある人形劇のなかでも、もっとも洗練された完成度の高いものといえるというお言葉にもうなずけます。
 この日の公演の演目は『仮名手本忠臣蔵』の五段目より七段まで。まず太夫が浄瑠璃を語ります。口を大きく開け、腹の中から声を発して、老若男女、善人、悪人など、あらゆる人間になりきり、情景描写、物語の背景などを基本は1人で、お話によっては複数人で語り分けます。そこへ三味線が入り、語りに一段と情感が込められます。太夫の語りに三味線とともに合わせて人形を操る。これが文楽です。人形の微妙で繊細な所作、それを巧みに表現する人形遣いの熟練の技によって、まるで人形が生きているかのようでした。見る人によっては心が震えるのではないでしょうか。       
 人形浄瑠璃文楽は、物語、太夫の語り、三味線、人形遣いなど、さまざまな見どころを楽しめる総合芸術だと思います。ユネスコの無形文化遺産に登録されたのも納得です。 

歴史街道倶楽部会員誌『歴史の旅人』より転載