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イベント

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新春 文楽鑑賞会

人間国宝 竹本住大夫師と三味線解説

募集内容

実施日
2006年1月23日(月)

レポート

実施日:2006年1月23日(月)

参加人数:69名

竹本住大夫師のお話~鶴澤燕二郎氏による三味線解説と実演~初春文楽公演第2部鑑賞『寿式三番叟』、『太平記忠臣講釈』七条河原の段・喜内住家の段、『卅三間堂棟由来』平太郎住家より木遣り音頭の段
国立文楽劇場が面した千日前通りは、以前は市電が通っていて温かい町並みでしたが、拡張され高速道路が上を通るようになり、私にとって親しみのない通りとなってしまいました。でも、劇場に入って竹本住大夫さんの話を聞き、そのはんなりとした浪速言葉で心がなごみました。まさに関西歌舞伎の先代さん(二代目中村鴈治郎連中)や松竹新喜劇の役者さん方が、かつて遣っておられた言葉がこれで、久しぶりにうれしく、昭和二十年代が蘇ったような気分になりました。
さて、文楽の舞台が開くと、電子掲示板で大夫さんの語りが文字で映し出されるのですが、それを読んでいると舞台が観られません。むしろ、舞台の人形の動きを見ながら、語りを聞くほうが、はっきり物語の意味が理解できて、楽しいことがわかりました。日本の古典を観賞するのに文明の利器は要らないのです。『寿式三番叟』の激しい踊りを眺めて、頭、手足の三人の人形遣いが、もつれることなくスムーズによく人形を操れるものだと、長い年月の修行をつくづく感じさせられました。
ロビーには大夫さん方の使っておられる道具や三味線などが展示され、係員の説明を聞くこともできます。歌舞伎の世界では鬘や衣装を汚さないように役者さん方は非常に丁寧に扱っておられますが、文楽の方々も同じことでしょう。一度楽屋を見学してみたいものです。
ちなみに、私の二人の孫娘(四才と七才)は山村流で上方舞を習っており、ロボットのようなぎこちない手振りでお師匠さんを真似ております。次回の古典観賞会には、孫娘たちを同行させて雰囲気を楽しませてやりたいと思っています。

歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載