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イベント

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新春文楽鑑賞会

人間国宝 竹本住大夫師と文楽人形

募集内容

実施日
2004年1月24日(月)

レポート

実施日:2004年1月24日(月)

参加人数:75名

大阪日本橋・文楽劇場での今回の催しで、初めて文楽を観る(聴く)機会を得ました。三年前、何巡目かのお四国道中の途次、希代の人形師といわれる阿波の天狗屋久吉の工房跡に立ち寄って以来の願望でした。公演に先立って、竹本住大夫師のお話と人形の仕組みや操作についての解説。大夫のお話は内容はもちろんのこと、品性豊かで心地よい「大阪弁」が大変印象的でした。「文楽は娯楽と思って気楽に来ておくれやっしゃ」といわれて気持ちが楽になりました。
公演は「七福神宝の入舩」から。七福神が音曲に合わせて飲めや歌えの宴の様は、ユーモラスな仕草に終始笑いの渦となり、お正月にふさわしい一幕でした。次の演目は「伊賀越道中双六」でしたが、幕が上がってまもなく私の混乱が始まりました。目線は定まらず、大夫、三味線、人形、床本、電光字幕を落ち着きなく追いかけるばかりです。しばらくすると全身に汗して語る住大夫師に釘付けになりました。先のお話の「腹から出す声」に最後まで圧倒されて、ほとんど舞台の人形に集中できないまま終了しました。
休憩時間には今度はと床本、解説紙にゆっくり目を通し、最後の演目「恋娘昔八丈」に備えました。ここで借用した解説用イヤホンをポケットに忘れていることに気づきました。このイヤホンガイドがとても助けとなり、人形の仕草、言葉の意味、三味線の曲など平易な解説を得つつ、落ち着いて舞台に集中できました。帰宅後、床本などを読み返し、一層興味を増して、後日、「公演記録鑑賞会」、若手中心の「義太夫を聴く会」にも行きました。これからも日本橋界隈に頻繁に出没することになりそうです。

歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載