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イベント

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世界遺産登録記念・紀伊半島こころの旅②

南部梅林と熊野古道・中辺路~本宮

募集内容

実施日
2005年2月16日(水)~17日(木)

レポート

実施日:2005年2月16日(水)~17日(木)

参加人数:38名

昨年十二月、七十一歳を迎えました。子どものころにはトンボやセミをつかまえたり、カエルの尻から麦わらで空気を吹き込んで腹をふくらませて川に浮かせたりし、長じては釣りに興じてあまたの魚を殺し、五十代からは盆栽に興味を持ち、買っては枯らし、枯らしては買いと、我が半生はなんと殺生、無慈悲を繰り返して来たことか。ようやくというか、ついに定年を迎え、にわかに信仰心が沸き、四国八十八ヵ所や番外霊場巡りのこのごろです。折しも、歴史街道倶楽部においてこの企画を知り、早速参加させていただきました。
初日には一時小雨も降りましたが、大したこともなく、二日目も晴天。両日ともに四月上旬並みの暖かさに恵まれました。雨女の家内を伴っての旅としては上々のことです。
さて、先人たちは悟りを求めて、熊野の急峻な山岳道を簡素な身なりをし、食事なども質素な精進料理を取りながら越えて行ったのでありましょう。その苦行難行は想像を絶するものがあったと思われます。しかし、今、私は車で気楽に景色を楽しみながら、また、ホテルで肉を食らい、酒を飲みといったありさまです。願いも家内安全、商売繁盛は可愛らしい方で、ちょっぴり宝くじの当たりをお願いするなどに至っては、言語道断というべきか。いまだご利益なく、天罰はたちどころに当たって、かくはここにこの原稿を書く破目となりました。かの宮本武蔵の師、沢庵和尚いわく、「人の世は、食って糞して寝て起きて、あとのことは死ぬばかり」。まだまだここまでの心境には至りません。
二日間の楽しい旅もスタッフの皆様のご苦労のおかげと改めて感謝し、次回もよろしくお願いいたします。

歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載