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イベント

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若狭路紀行

募集内容

実施日
2003年10月17日(金)~18日(土)

レポート

実施日:2003年10月17日(金)~18日(土)

参加人数:72名

秋晴れの早朝、JR新大阪駅集合。お互い挨拶を交わし、バス二台に分乗。若狭路紀行一泊二日の旅が始まった。早々資料を手に行程の説明を聞く。高速舞鶴道を快適に進み、私たち二号車は舞鶴引揚記念館に到着。まずは公園にて昼食。鳶が旋回して迎えてくれる。
記念館は常設展示と企画展示に分かれ、戦後、旧ソ連・中国大陸からの引揚者を受け入れた当時の舞鶴港の様子や、引揚資料などが展示されている。シベリア抑留中の過酷な強制労働、現地の生活など展示や、子どもと再会できず他界された話に胸つまる思いで見学する。次に赤れんが博物館へ。明治三十六年建築の、本格的鉄骨煉瓦建築としてはわが国最古の建物。舞鶴市と煉瓦、日本と世界の煉瓦の歴史、万里の長城やベルリンの壁の煉瓦ほか、多数の煉瓦資料を展示。楽しみの館である。
現地ガイドの案内で熊川宿へ。山に囲まれ一キロあまり、途中「まがり」のある昔の面影を残す街道。前川が流れ、虫籠窓のある二階屋、格子付平入、妻入の家並み、番所跡が続き、歴史の重みを感じながら散策する。夕暮れて光明石温泉のホテルで全員そろう。夕食時、全員で「異国の丘」「岸壁の母」を合唱する。一芸を楽しみ、笑い声が響いてなごみ、盛り上がる。
二日目。田園にたたずむ小浜五か寺を拝観する。羽賀寺では重文の桧皮葺本堂にて本尊十一面観音立像を拝観。優雅で膝まで救いの右手をのばされたお姿の前に、心安らぎ合掌する。法話のなかでお寺参りの有様を教わる。早速実行。多田寺では重文木造薬師如来を拝観。眼病に効験著しいとか。奈良の薬師寺、出雲の一畑薬師とともに日本三大薬師といわれている。
重文薬師如来像がある国分寺は、境内に大円墳を持ち、塔跡から相輪が出ている。明通寺には国宝本堂と三重塔がある。本尊は薬師如来。石段を上がった山のなかに建つ三重塔は見事だ。最後に神宮寺。重文仁王門があり、本尊は薬師如来。拍手を打って参拝し、御香水をいただく。お水送りの神事は有名で、三月二日に御香水が、白装束の村人と僧が手にした大松明のなか、遠敷川の鵜の瀬の淵より送られ、十日後、奈良・東大寺二月堂の若狭井に湧き出すという。
歴史ある建物や、すばらしい仏像に出会い、満足で有意義な二日間に感謝である。

歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載