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イベント

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日本の美シリーズ

西国三十三カ所こころの旅 第1回

募集内容

実施日
2003年5月14日(木)~15日(金)

レポート

実施日:2003年5月14日(木)~15日(金)

参加人数:45名

十四日朝、新大阪に集合、参加者名簿を見てみると、遠く東京・富山・岐阜の方、徳島からは六名。これはこれはすばらしい。今まで徳島県の会員が判らなかったせいもある。
午前九時、南紀ヘ向けて出発。四国はぐるり海、海岸線も有名な所で足摺、室戸を始め多くあるが、南紀の海岸はまた趣も違い、遠い太平洋の水平線を眺めながら、一路那智勝浦に進む。串本海中公園あたりから雨が次第に多くなり、那智の滝、一番札所の青岸渡寺参拝は、合羽をはおり五百段の石段に挑む。熊野那智の山々が霧にけむり、三重の塔と大滝のパノラマは、あたかも一幅の日本画を見ている様で、思わず感嘆の声を上げる。泊まりは、勝浦「中の島」、雨の露天風呂も乙なもの、渡船も旅の一コマに納める。
十五日、二番札所の紀三井寺の参拝。三つの霊泉を見ながら石段を登る間、戦死した兄が和歌山に勤め、初めて訪ねた時、ここを案内してくれた想い出が蘇り、約六十年前をしみじみ偲びつつ冥福を祈る。三番札所、粉河寺参拝。秀吉の紀州攻めなど思いながら、庭の美しさを愛でる。行程最後の四番札所へ和泉山脈を越えて、難所の登り口に立つ、施福寺までの坂道を杖に頼り登る。山門の上まで登るが帰路の余力も考え、下る人が声を掛けてくれたが断念。下から拝む。ご開帳の日であったとか、多少残念。山中しばし観音霊場の空気を味わって帰る。シリーズ九回の満願まで、健康でともに巡れることができるように、観音様のご慈悲を願いつつ。

歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載