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イベント

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日本の美シリーズ パート・Ⅷ

門跡寺院 珠玉の日本美術

募集内容

実施日
2003年3月8日(土)

レポート

実施日:2003年3月8日(土)

参加人数:91名

三月の名残り雪が舞い、肌寒い京都でした。妙法院は、天下の秀吉が豪快に千僧供養を行ったところ。当時の大きな「うつわ」としての体制が偲ばれます。大書院の襖絵は、狩野父子の筆。それぞれの特技を生かし、豪壮に描かれて心ひかれます。
三千院では、三尊像の正座のお姿を前にして、ひざの病を取り除いてほしいという念願からただすがりたく、吸い込まれそうになるほど優しいまなざしの阿弥陀様に合掌いたしました。今なお心に刻まれております。
大原山荘へ歩いて辿り着くまで雪が降り、大原での風情は寒いなか、忘れられない思い出となりました。昼食は味噌鍋です。少し前の寒さもどこへやら、汗をかきながら温かい鍋に感謝です。
曼殊院門跡は、書院庭園で有名とのこと。庫裡入口の「媚竈」が彫られた額の意味は資料のおかげで判りました。「かまどを大切に!」。命を守る食のために、なくてはならない大事な場だったと思います。田舎育ちの私はかまどで炊いた御飯は格別の味でした。小書院の欄間の菊花は、浮き彫り、透かし彫りの表と裏の表現に感激しながら、解説に聞き入るばかりです。掛物は竹筆にて、南無阿弥陀佛と人のお姿です。骨となってもしっかりと立姿。願わくば私も仲間にと念じながら立ち去ることにしました。
大覚寺では、般若心経の読経中、詳しい説明を聞きながら見学。まわりには嵯峨流の生花。美しく生かされる花の姿は眺めるほどに伝統と文化の素晴らしさに感激しました。狩野山楽筆の紅白梅図、牡丹図が飾られ、前庭には「左近の梅、右近の橘」。古式ゆかしい風景を拝まさせていただきました。私には一期一会、おかげさまでありがとうございました。

歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載