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イベント

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悠久の中国・夢と浪漫のシルクロードの旅

敦煌・西安6日間

募集内容

実施日
2002年5月26日(日)~5月31日(金)

レポート

実施日:2002年5月26日(日)~5月31日(金)

参加人数:45名

好天に恵まれた幸運な6日間でした。現地での話では、到着の2日前に砂嵐があり、定期便も欠航。また、帰国後のニュースで、西安地方の大洪水を放映していました。
5月27日、待望の世界文化遺産「莫高窟」へ。大仏や飛天の像や画の偉大な実物に触れ、感動の連続でした。一時間半余の見学に、後ろ髪を引かれる思いでバスに乗り込みました。涼しくなった夕食後、車組とラクダ組に分かれて、鳴沙山の麓をたどって、砂漠の泉「月牙泉」へ向かう。折しも夕日に映える風景に感嘆絶句。
28日は砂漠をドライブして敦煌古城へ。ここは映画「敦煌」の製作時に作られた野外セット。酒屋、質屋、肉屋、ウイグル・イスラムの建物など、昔の町並みが再現されています。古酒場のチンカー酒、一杯1元(15円)が一番人気でした。オアシスの村で田舎料理の昼食後、陽関へ。ガイドさんが烽火台をバックに、唐の詩人、王維の詩を「渭城の朝雨…」と読み出したところ、多くの方々がノートや本を持って「…西のかた陽関を出づれば故人無からん」と合唱に。
29日、西安へと向かう機内で、小さな歓声とどよめき。雲の合間に万年雪の祁連山脈が見えました。西安では、城壁西門と朱雀門、石碑などを集める碑林、空海が恵果から密教を学んだという青龍寺、大雁塔と小雁塔などを訪問しました。平城京・平安京のモデルとなった唐の首都、長安。明代にその地に縮小して造営されたのが西安です。私たち日本人が、この都市に親しみを持ち、シルクロードにあこがれるのは、遠い祖先の血がそうさせるのかもしれません。
30日は最後の訪問地、世界文化遺産である秦始皇帝陵と兵馬俑博物館。兵馬俑博物館の1号坑の最下段で見学を許されて、真に迫る兵馬俑を間近に見ることができました。そして、今回の企画の目玉の一つ、未公開の発掘現場を見学。5号坑で石の鎧と甲を見たあと訪れた6号坑は、俑に直接に触れることもできる生々しい現場。生きたまま埋められた20頭の馬の骨も埋まり、息をのんで見学しました。この最終日の夜は夕食をかねての交流会が持たれました。なごやかな会の合間に現地の研究者のこんな話を聞きました。日本の考古学者から科学機材を使用して大々的に発掘調査を進めてはどうかという提案もあるが、あえて手作業で発掘を進めていること。そして、その方法での始皇帝陵の発掘には100年はかかると。ロマンに満ちた発掘がゆったりと続けられてゆく光景を思い浮かべ、再度見学に訪れたいという熱望にかられました。

歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載