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イベント

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パート3(京都・比叡山)平安・鎌倉時代

最澄と空海、平安浄土教と鎌倉新仏教の美術

募集内容

実施日
2001年11月7日(水)

レポート

実施日:2001年11月7日(水)

参加人数:76名

当日は木枯らし第一号が吹き抜ける寒い一日。バスは京都駅から最初の訪問先、東寺へと向かう。東寺では現地のガイドさんの案内でまず講堂に入り、内陣須弥壇の二十一体の彫像によって構成された羯磨曼荼羅を拝観。空海の密教思想を存分に盛り込んだ形式という説明に、改めて荘厳の世界にひととき浸った。次いで金堂、五重塔(特別拝観)でも、詳細な説明を受けながら伽藍をたどる。
次に宇治の平等院へ。極楽浄土の世界を見るように造られた鳳凰堂全体を観賞するため、阿字池の周りをめぐり、本堂内へは入れなかったものの池の正面より本尊の阿弥陀如来像を拝む。平成13年3月に開館した鳳翔館では、国宝として名高い雲中供養菩薩や鳳凰一対、扉絵、梵鐘などを拝観。
平等院から歩いてすぐの塔川の喜撰茶屋で昼食ののち、急ぎ次の訪問先、比叡山延暦寺へと向かう。途中、今回のイベントを企画された加藤氏より、シリーズの開催趣旨や内容のこだわりなどについてのお話。改めてご苦労に感謝したい。
延暦寺では午後3時も過ぎ、寒さも一段と厳しくなってきたが、さすがに日本仏教の総本山といわれるだけあって参拝者の数も多く、特にこの日は外国からの観光客も多い。根本中堂で僧侶の説明を聞く我々の隣で、英語の通訳を交えた説法を熱心に聞く姿を見たときは、何かしらほっとしたぬくもりを感じたのが不思議である。
最後の訪問先は三十三間堂。内陣に千一体の千手観音群像がずらっと並んだ光景はなかなか荘厳である。千体仏のなかには、自分が会いたいと思う人に似た観音像が一体必ず見つかるといわれている。自分も探してみたが、時間が短かったこともあり、相手は見つからず、ゆっくりと再度挑戦してみたい。
多少駆け足気味ではあったが、平安・鎌倉の宗教文化の一面を垣間見ることができ、有意義な一日を過ごせたことを感謝。次回パート4も楽しみにしている。

歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載