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歴史ものがたりセミナー

壬申の乱 ~大海人皇子の戦略 国史編纂への熱き想い~

『日本書紀』天智天皇の巻をひもとくと、その治世の天智10年(671)9月17日、死の床の天皇と同母弟・大海人皇子(後の天武天皇)の最後の様子が記されています。天皇は大海人皇子に皇位を譲る意志を示したのだが、大海人皇子は、これをうけず、皇位は皇后「倭姫王(やまとのひめのおほきみ)」に、政は「大友皇子」に委ねるよう進言、自らは天皇の回復祈祷のために即日法衣に姿を変えた、と(第二十七巻)。

しかし、続く天武の巻(第二十八巻)を見ると、天皇の提言には陰謀が潜められており、事前に大海人皇子に「よく気をつけてお答えなさるように」と告げる者がいて、出家と称し辛くも難を逃れた、と新たな事実が加えられているのです。
天智天皇の崩御後も不穏の気配は去ることなく、翌年5月、吉野で隠遁中の大海人皇子は、大友皇子を枢軸とした近江朝廷が、先帝の山陵を築くための人足の徴発と偽り、密かに兵を集めているとの報を受けます。
事の真偽はひとまずおくとして、これが672年6~7月に渡る、古代史上最大の内乱である「壬申の乱」の幕開けでした。

周到な作戦計画を練った大海人皇子は、6月24日に吉野を脱出、伊賀の山中を抜け、不破 (関ヶ原)を目指します。途中、横河 (名張川)で行く手に巨大な黒雲の棚引くのを見て、大海人皇子は「天下が二つに分かれる祥(しるし)だ。しかし、きっと私が勝利するであろう」と占いを披露、朝明郡(あさけのこほり)の迹太川(とほがわ) (四日市市海蔵川)のほとりでは「天照大神」を拝んだことが記録されています。
大海人皇子の取った、これらの行動は、いったい何を意味しているのでしょうか?

また、大海人皇子の陣営にはもう一つ、不思議な現象が起こっていました。
・・・・・実は、新たに出土した資料によると、大海人皇子の占いは確かな知識に裏打ちされており、乱の折のこの体験こそが、天武天皇による『古事記』『日本書紀』の編纂に深く関わっていると見られるのです。

2020年夏開催「壬申の乱~大友皇子の軌跡 近江朝廷の放ったひとすじの光~」の続編となる本セミナーでは、大海人皇子の視点で壬申の乱をたどります。初めてご参加の方にも分かりやすい解説で、ロマンあふれる壬申紀の世界へお連れします。

■■講師:岡田高志氏プロフィール■■
1987年、大阪府生まれ。大阪市立大学都市文化研究センター研究員、文学修士。
専攻は『古事記』『日本書紀』『万葉集』を中心とした日本の古代文学。

募集内容

実施日
2021年2月7日(日)10:00~11:30
集合場所
大阪大学中之島センター 佐治敬三メモリアルホール
(京阪中之島線 「中之島」駅より徒歩約5分)
受付・集合
10:00
募集人数
50名様(先着順/最少催行人数30名)
参加費用
歴史街道倶楽部会員 2,000円(税込)
       一般 2,500円(税込)

●特別賛助会員の方は、「セミナー招待券」をご利用いただけます。
主催
歴史街道推進協議会
講師
岡田 高志氏(大阪市立大学都市文化研究センター研究員)

申込方法

メール、FAXまたはハガキに会員番号・氏名・住所(一般の方のみ)・電話番号・参加人数をご記入の上、各イベント係までお申し込みください。なお、満席の場合を除き、申込受付の返信はいたしませんので、あらかじめご了承ください。
開催の2週間前を目途に、詳しいご案内と振込用紙を郵送いたします。

住 所: 〒530-0005 大阪市北区中之島2-2-2 大阪中之島ビル7階
FAX: 06-6223-7234

メール: club-info@rekishikaido.gr.jp

申込締切日

2021年1月28日 (木)