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ー文楽鑑賞と首(かしら)の解説ー

首の解説/文楽公演第2部鑑賞『夏祭浪花鑑』『連獅子』

募集内容

実施日
2006年7月23日(日)

レポート

実施日:2006年7月23日(日)

参加人数:30名

まだまだ文楽の知識に浅い私が、オペラとはまた違った日本の古典芸能にも触れてみたく、ときおり文楽鑑賞会に参加させていただいていますが、今回の「首」の解説は大変面白く、楽しいものでした。
人形の一つの首が、まるで俳優のようにいろいろな役をこなすということ。もちろん一つの役にしか使われない、ひとつ首(特殊首)というものもありますが。普通は女性なら娘役の「わらいの性根」と老女方の「なみだの性根」などが基本で、それに役柄により化粧をほどこし、鬘をつけ、着物を合わせて役づくりをするそうです。ですから同じ首が、そのたびに役柄にあわせて化粧を塗り替えるので、どんどん厚化粧になっていくとか、鬘を押さえるための釘の穴がいくつもできるとか、話し手の村尾愉さんの解説はリアルで面白く、実際に手に触れてみて、思わず「首さんも大変だねー」とつぶやいていました。
また、首の仕掛けや手指の関節を自由に動かすためのバネは背美鯨のヒゲを使っているとの話にびっくり! 背美鯨のそれは、大変柔軟性があり、昔から使われているが、近年、入手困難になってきているということです。お話のあと、劇場のほうに移り『夏祭浪花鑑』と『連獅子』を観賞。三人の遣い手さんによって、まるで魂が入っているが如くしなやかに動く人形を観ながら、文楽という芸能の奥深さを感じさせられました。

歴史街道倶楽部会員誌「歴史の旅人」より転載