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大阪城で学ぶ『大坂の陣』






皆様の記憶にまだ残っているのではないかと思いますが、平成26年から27年にかけて、「大坂の陣400年」に関連したイベントが開催され、平成28年には、大河ドラマで「真田丸」が放映されました。
倶楽部でも、大坂の陣をテーマにした「講談」やウォークを実施しました。そのなかから、今回ご紹介するのは平成28年に実施した「大阪城で学ぶ『大坂の陣』」です。講師は大阪城天守閣研究副主幹の宮本裕次様です。
宮本様は、平成26年に開催されました「大坂の陣400年記念特別展『浪人たちの大坂の陣』」を企画。浪人というと、仕える先を失い、武家社会から脱落した者のように思われがちですが、自らの意思で主君を変え、浪人になることを恐れなかった武士でもあるのです。
大坂の陣では、そんな浪人たちが各地から大坂城に集まり、大軍を前に一歩も引くことなく華々しい活躍をした。このことに魅かれ、宮本様にぜひお話をしていただきたく、お願いをしました。

 当日は、大阪城天守閣の会議室にて、宮本様から「大坂の陣―武将たちの生きざま、戦いざま―」と題して約1時間お話いただきました。あまり知られていない、個性豊かな人物に焦点をあて、エピソードを交えて紹介され、参加の皆様からも、やはり、知られていない人の話を興味深く聞いたという感想が多数寄せられました。
 講義のあとは、天守閣を各自で見学していただき、再集合をして、引き続き宮本様の解説で、特別公開中の3つの櫓の内部を見学しました。
 焔硝蔵は、江戸時代のまま残っている唯一の総石造りの火薬庫。貞享2年(1685)の築造、昭和35年(1960)解体修理。千貫櫓は、「大坂の陣」直後の古建造物。大手門を北から防御する重要な役割を果たした二層の隅櫓。信長軍が「千貫文出しても奪いたい」といったことが名前の由来といわれています。元和6年(1620)創建、昭和36年(1961)解体修理。多聞櫓の多聞とは、松永久秀の居城多聞城の建物に由来する様式名で、下に鉄板張りの大門を備える渡櫓と続櫓からなります。寛永5年(1628)頃創建、嘉永元年(1848)再建、昭和44年(1969)解体修理。という3つの櫓ですが、侵入した敵を迎え撃つための工夫が随所に施され、解体修理はされているものの400年ほど前の建物が残っているのです。江戸時代のまま残っているという、花崗岩でできた火薬庫の焔硝蔵は、壁の厚さが約2.4mもあり、耐火性、耐久性、防水性にもすぐれている堅牢な倉庫。天井も床も、花崗岩の切り石と漆喰で固められ、その技術は見事です。
櫓3か所の歴史の重みを堪能し、この日の半日イベントは終了しました。

 大阪城では、11月29日(日)まで「重要文化財 大阪城の櫓 YAGURA 特別公開」が実施されています。土日祝の限定ですが、8月1日(土)〜8月16日(日)は連日公開されています。ぜひ、訪れて、400年の歴史を実感してみてください。
詳しくはhttps://www.osakacastlepark.jp/articles/detail.html?id=145

※新型コロナウイルスの感染拡大の状況を鑑み、行事・イベントが中止や日程変更になる可能性がありますので、主催者サイトなどでご確認ください。